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BSシネマ 幸せのちから(2006米) [日記(2013)]

幸せのちから コレクターズ・エディション [DVD]
 原題: The Pursuit of Happyness。なかなか泣かせる映画です。レーガンがTVに映っていますから、1980年代の話しです。
 医療機器のセールスをするクリス(ウィル・スミス)の物語。どうもサラリーマンではなく、機器を仕入れて病院に売るという商売をしているようです。大量に仕入れた機器は売れず、ひとり息子を託児所にあずけ妻(タンディ・ニュートン)も昼夜働き、それでも家賃を滞納するという苦しい生活です。貧乏は人の心を荒廃させます。離婚となるわけですが、面白いのは、一人息子クリストファー(ジェイデン・スミス)を引き取るのが妻ではなくクリスというところです。奥さんに逃げられて息子を養うと言うのではなく、父親として息子を手放したくないという強い“父性”のようなものを前面に持ってこようというわけです。この映画は、ウィル・スミスと実の息子ジェイデン・スミスの共演がウリですから、まぁこう言うのもアリですね。ということで、“子連れ狼”ならぬ息子を連れたクリスの生活が始まります。

 貧乏脱出のためにクリスは給与のいい証券会社への入社を考えます。入社するためにはまず研修生として採用される必要があり、6ヶ月の研修期を経て正式に社員として採用されるのですが、は20人に1人と言う狭き門。クリスは証券会社の人事部長に自分を売り込み何とか研修生に潜り込みますが、これが無給。息子とふたりで生活するために、平日は研修週末は医療機器のセールスという生活が始まります。

 機器はいっこうに売れずにアパートを追い出され、移った先の安ホテルも宿代が払えず追い出される始末。泊まる所も無く行き暮れて息子とふたり、クリスは恐竜に追われ洞窟に逃げ込むという夢物語を作って地下鉄のトイレで夜を明かすことになります。クリスの苦肉の夢物語に素直に同調するジェイデン・スミスの演技は、なかなか泣かせます。ジェイデン・スミスには、ジャッキー・チェンの『ベスト・キッド』といういい映画がありますが、カエルの子はカエルなんでしょうね、感心します。

 ホームレスとなったクリス親子は、教会の救護施設に寝泊まりしながら証券会社の研修を受け、週末は息子とふたりでセールスに回るという生活を続けます。ともかく、クリスには頭が下がります。

 努力
⇒研修の重要な科目に電話セールの実習があり、どうもこれが採用を左右するようです。ホームレスの施設に泊まるためには午後5時から教会に並ぶ必要があり、ライバルに比べセールスの時間が十分に取れません。クリスは、昼食も取らず、トレにゆく時間を惜しむために水分を控えて電話にかじりつきます。夕食を食べながら試験勉強をし、明日のセールスのために廊下の明かりを頼りに壊れた医療機器を修繕。

 人柄
⇒普通、こうした貧困の中で人の心は荒廃するものです。ところがクリスは常に前向き且つ正直。電話セールスが成功し、顧客に会いにゆく間際に上司から仕事を言いつけられます。普通は断りますね、ところが彼は引き受けるわけです。約束の時間に間に合わず機会を逃します。ここで終わらないのが映画の便利なところで、クリスは息子を連れ週末のセールスの合間を縫ってこの顧客の家に謝り行きます。フットボールが縁でこの顧客と親しくなり、友人を紹介してもらい...まぁ映画ですから。

 こういう努力や人柄の良さを見せつけられると、どこか胡散臭さがつきまとうものです。ところが『幸せのちから』にはこの胡散臭さが無いとは言いませんが比較的希薄です。ウィル・スミスの熱演もさることながら、理由の第1は息子クリストファーの存在です。こんな素直で賢い子供のために頑張るオトーサンに肩入れしたくなるのが人情です。で頑張れクリス、となるわけです。

タイトルの“Ppursuit of Happiness”はアメリカ独立宣言の一節のようです。

すべての人間は平等につくられている。創造主によって,生存,自由そして幸福の追求( pursuit of Happiness)を含むある侵すべからざる権利を与えられている。

 映画の中で、神が保証した幸福が何故与えられないのだとクリスが嘆く場面があります。最後は証券会社に就職できハッピー・エンド。頑張れば報われるという適者生存のアメリカンドリーム啓発映画です。証券会社に就職できて、クリスは成功の階段を駆け登って行くわけですが、就職できなかった19人の“  pursuit of Happiness”はどうなんだ言いたくなります。教会のホームレス収容施設からクリスは逃げ出せたけれども、教会にはまだ多くの人が残っています。「独立宣言」を持ってくる以上、それはアメリカの社会問題なんだと言っているんでしょうか。それとも、努力を怠る人間には創造主は微笑まないのでしょうか。

 「日本国憲法」にも似た表現がありました。

われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 親に置き去りにされ餓死した女の子に「恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利」は無かったのか...。

 というようなわけの分からないことを考えなくとも、この映画は素直に楽しめます。

監督:ガブリエレ・ムッチーノ
出演:ウィル・スミス ジェイデン・スミス タンディ・ニュートン

タグ:BSシネマ
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