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映画 あるいは裏切りという名の犬(2004仏) [日記(2010)]

 原題は“36 Quai des Orfevres”(オルフェーヴル河岸36番地)。
 パリ警視庁のふたりの刑事の確執を描いたアクション映画です。ひとりはBRIを率いるヴリンクス(ダニエル・オートゥイユ)、もうひとりはBRBを率いるクラン(ジェラール・ドパルデュー)。このBRIとBRBは、WikipedeaによるとBRI=探索出動班、BRB=強盗鎮圧班と云うことですが、犯罪捜査のチームがふたつあるのでしょう。

 冒頭で、二人組が警視庁の『オルフェーヴル河岸36番地』という標識を盗みバイクで逃走します。犯人はなんとBRIの刑事で、同僚の送別会の記念品に盗みを働いたわけです。そうした型破りな刑事を束ねているのがヴリンクス。一方BRBはクランが君臨し、意に沿わない刑事は左遷するという組織です。この対照的なマネジメントをするふたりは次期局長候補にあり、それぞれがチームを率いて犯罪捜査にしのぎを削るという状況下にあります。

 局長がヴリンクスに忠告します、『クランは権力志向が強すぎる。自分の後任にはおまえを推薦するつもりだが、情報屋を使うような捜査はもう止めろ。お前は古いタイプの刑事だ。上層部は安全第一で保守的だ。』
ヴリンクスは、殺人事件のアリバイ工作の見返りに情報屋から強盗団の隠れ家を聞き出します。この情報を元にBRIは強盗団の隠れ家を急襲、控えに廻されたBRBのクランが功に焦ったため逮捕は失敗し、ヴリンクスは部下を失います。

 ヴリンクスとクラン、この性格の異なるふたりが何とも男臭く魅力的に描かれています。ふたりはかつて親友とまではいかなくとも友人であり、最後まで明かされませんが、ひとりの女性を巡って争った様な節があります。
 クランは、ヴリンクスが殺人事件に関与した事実を売り、ヴリンクスを追い落として局長レースに勝ちを占めますが、これも刑事と云う仕事への情熱のためです。常識的には、この映画のヒーローはヴリンクスでありクランは悪役ですが、『あるいは裏切りという名の犬』というタイトルはクランの為にあります(原題とはかけ離れていますが、うまく付けたものです)。このタイトルを付けた配給会社の社員は、明らかにクランに傾斜しています。この題名は、同僚を売り追い落としても、部下に見限られても、自分の道を突っ走るクランへの鎮魂歌でしょう。

 裏切りがあり、復讐があり、ドンパチもあり、役者もすばらしい。久々にフランス映画を堪能しました。お薦めです!

ダニエル・オートゥイユは『画家と庭師とカンパーニュ』に、ジェラール・ドパルデューはリドリー・スコットの『1492 コロンブス』に出ているようなので、是非とも見ないといけません。

監督:オリヴィエ・マルシャル
出演者:
ダニエル・オートゥイユ
ジェラール・ドパルデュー


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