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映画 麦の穂をゆらす風(2006英愛) [日記(2010)]

麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション [DVD]  鷲は舞い降りたIRA(アイルランド共和軍)の闘士が登場、ドイツ軍のチャーチル誘拐作戦に協力し、夕日のギャングたちでもジェイムズ・コバーン扮するIRAの爆弾屋が登場します。『麦の穂をゆらす風』というロマンティックなタイトルの映画は、このIRAの物語です。

 アイルランドの歴史は、イギリス支配から独立を勝ち取る戦いの歴史のようです。映画ではあまり強調されていませんが、支配・被支配の関係にプロテスタントとカトリックの宗教的対立が事態をより複雑にしていたようです。

 映画は、1919年の武装蜂起から1921年のアイルランド自由国の独立、英国の自治領という独立の欺瞞性に不満を持つ民族主義者と自由国軍との内線を、ふたりの兄弟を主人公に描きます。

 神学生として独立運動に参加した兄テディ、医師としての未来を捨ててゲリラに参加した弟ダミアン。ふたりは、1921年のアイルランド独立までは同志として互いに助け合いともに闘います。アイルランドの独立後兄は自由国軍の幹部となり、英愛条約に不満を持つ弟は自由国軍と戦うゲリラに身を投じます。ともにイギリス支配と戦ったIRAが2派に分かれて相争う内戦となります。

 弟ダミアンの恋人であるシネードの家が、アイルランド独立運動の象徴として描かれています。この家でシネードの弟は英国軍に虐殺され、独立運動の闘士を匿った疑いで英国軍に火を放たれ、シネードは暴行を受けます。独立後の内戦では、かつてはこの家に匿われた自由国がゲリラを匿っている疑いで一家に銃を向けます。

(かつての独立闘争では)あなたたちはこの家に身を潜めたではないか!私たちとともに食事をしたではないか!

と自由国軍の兵士に向かって叫ぶシネードの老婆の叫びこそが、アイルランド独立運動の実相を映したものでしょう。

 自由国軍の将校の兄は、ゲリラとして捉えられた弟を処刑し、弟の遺書を持ってシネードの家を訪ね、弟死を伝えるシーンで映画は幕となります。

 革命成就の後(この場合は独立運動ですが)、革命の果実を巡って、供に戦った革命の闘士が相争う内戦は、よく見られる革命の諸相です。これを兄が弟を処刑する悲劇に仕立てたのが『麦の穂をゆらす風』でしょう。そう言う意味で、この映画に新しさはありません。

監督:ケン・ローチ
出演:キリアン・マーフィ ポードリック・ディレーニー オーラ・フィッツジェラルド

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