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読書 高野和明 ジェノサイド [日記(2011)]

ジェノサイド
  高野和明は死刑を扱った「13階段」や「グレイヴディッガー」も面白かったですが、全く作風の異なった本書もまことに面白いです。
 物語は、ふたつのプロットが同時進行します。ひとつは民間セキュリティ会社の傭兵が、コンゴで致死性ウィルスに感染した40人のピグミー族を秘密裏に始末すると言うストーリー。
 もうひとつは、亡くなったウィルス学者の父親から息子にメールが届き、息子に残されたものは500万円の預金口座と精緻な蛋白質合成モデルを設計できるパソコン。
 日本とコンゴを結びつけるNSA(米国家安全保障局)のコードネーム「メネシス」が明かされ、、人類存亡の危機を前に日本、コンゴ、ワシントンのトライアングルが形成されます。この3つをつなぐkeyワードが、1970年代に書かれた人類の絶滅要因の研究と政策への提言「ハインズマン・レポート」。人類を破滅へと導くものとは、

1)宇宙規模の災害
2)地球規模での環境変動
3)核戦争
4)病疫:ウィルスの脅威及び生物兵器
5)人類の進化

 この最後の新人類の誕生が旧人類を絶滅へと導く、という仮説で「ジェノサイド」は組み立てられています。新人類の抹殺を企む勢力、これを守ろうとする集団、そして新人類と三つ巴の戦いが始まり、息もつかせぬストーリー展開で一気に読ませます。面白いです。

 「13階段」はけっこうヒューマンな物語でした。「ジェノサイド」とタイトルを付け、そうとうにハードな殺戮描写もありますが、登場人物も基本は善人で、ラストはこの作家らしいハッピー・エンドです。
 もう少し感想を書きたいのですが、ネタバレになるので書けません、残念。 エンタテイメントとしてはお薦めです。本年度の山田風太郎賞を獲りました。

タグ:読書
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