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映画 ことの終わり(1999英米) [日記(2011)]

ことの終わり [DVD]
情事の終り (新潮文庫)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 原題は“The End of the Affair”、グレアム・グリーンの「情事の終わり」(1951)」の映画化です。1944年のロンドンを舞台に、小説家モーリス(レイフ・ファインズ)と人妻サラ(ジュリアン・ムーア)の不倫を描いています。
 冒頭、主人公モーリスによってこれは憎しみの手記であること、憎しみの対象は情事の相手サラ、サラの夫ヘンリー(スティーヴン・レイ)、あるいは「第三者」なのか?という謎が投げられ、誰に対する何に起因する憎しみなのかを解き明かす、ミステリー仕立てのラブストーリーです。「愛の終わり」の物語を、あえてaffair=情事としたところに、グレアム・グリーンの(モーリスの)作為が感じられます。
 小説の邦題は「情事の終わり」、映画のタイトルは「ことの終わり」と直接的な表現を避けていますが、どちらも隠されたタイトルは「愛の終わり」です。
 映画は、1944年のモーリスとサラの情事とふたりの関係の終焉、そして1945年の再会と新たな情事の始まりというふたつの時間軸を交互に描き、同じシーンをモーリスの視点とサラの視点で描き分け、ストーリーに立体感を出しています。

【1944年】
 モーリスは英国高級官僚ヘンリーのパーティーでヘンリーの妻サラと知り合い、二人は恋に落ちて逢瀬を重ねます。ロンドンは折から第二次世界大戦の最中で、独軍の空襲にさらされています。モーリスは戦争がふたりの密会を助け、戦争の終わりが情事の終わりとなる予感を述べていますが、密会の場に爆弾が落ち、戦争の終結とともにふたりの恋は終わります。この不可解な恋の終わり、情事の終わりこそがこの映画の重要なプロットです。
 
【1945年】
 終戦後、モーリスはヘンリーと再会し、ヘンリーは妻サラの浮気をモーリスに打ち明けます。嫉妬したモーリスは探偵を雇ってサラの浮気相手を探ります。探偵によって1944年の「情事の終わり」の真相がもたらされ、再会したサラとの新たな情事が始まります。
 この第2のプロットは、探偵(親子)の出現によって不倫の物語が一挙に「信仰の物語」へと変貌します。
モーリスの憎しみとは何か?憎しみの相手とは誰か?サラの新たな浮気相手とは誰なのか?やがて謎が明らかになり、モーリスは次の言葉をタイプして物語は終わります。

神は存在し続ける 彼は見事にやってのけた
ぼくの憎しみを利用して 存在を認めさせた
ぼくの願いはただひとつ
神よ ぼくを忘れて欲しい
but leave me alone forever(放っておいて欲しい)
 
これは信仰の告白に他なりません。
 
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以下余談
映画は「不倫」で始まって「神の存在」で終わるのですから、疲れます。また、思わせぶりなセリフに満ちています。

1944年、「情事の終わり」となったふたりの会話です、
愛は終わらないわ 二度と会わなくても
人間が一生神を愛するのと同じよ 目に見えなくても(サラ)
ぼくの愛は違う(モーリス)
それは愛じゃないわ(サラ)
この同じシーンで、サラはこう独白します
あの人は生き返り 私は死んだ
別の愛が生まれた 恋に落ちるように・・・ラストを見てやっと納得のゆくセリフです。

この愛とは何なのか?、意味深長ですね。また1945年、モーリスと再会する理由をサラはこう独白します
もう私は疲れました 彼の不在に疲れました

モーリスですが、職業が小説家ということもあって、嫌みな男です、
愛が憎しみに変わった 嫉妬は欲望の裏返しだ
とかキザなセリフを連発して、あげくの果てが「恋愛」を「情事」と言い換えます。自称無神論者のくせに最後は神にleave me alone foreverですから。もっとも、サラにも
情事は敗北した
とか言わせていますから、作家もそうとうシャイでひねくれ者?
 
 気になるのが、妻をモーリスに奪われたサラの夫ヘンリー。退官すればナイトの照合を得る実直な高級官僚に、グレアム・グリーンは自分のファーストネームを与えています。

 レイフ・ファインズはこうしたひねくれ者と不倫を演じさせれば、当代一流の役者です(笑。
クリスティン・スコット・トーマス(イングリッシュ・ペイシェント
ナターシャ・ジェーン・リチャードソン(上海の伯爵夫人
ジュリアン・ムーア(情事の終わり)
と相手役にも恵まれています。
ジュリアン・ムーアは「めぐりあう時間たち」が忘れられませんが、「はかなさ」みたいなものを感じさせる数少ない女優ではないかと思います(まぁ個人のこのみですが)。ジュリアン・ムーアのR-15はちょっと似合わない気がしないでもありません。

監督:ニール・ジョーダン
出演:レイフ・ファインズ ジュリアン・ムーア スティーヴン・レイ
 
@原作「情事の終わり」を読みました。 

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