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磯田道史 天災から日本史を読みなおす-先人に学ぶ防災-(2014中公新書) [日記(2019)]

天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災 (中公新書)  著者は、NHK『英雄たちの選択』でお馴染みの磯田道史先生、『素顔の西郷隆盛』に続いて2冊目。最近の地震や台風に阿ったものだと思ったのですが、第5章を読むと、著者の防災について並々ならぬ思いが伝わってきます。そう言えば、15.5mの防潮堤を築き2011の東日本大震災で村を守った岩手県普代村の元村長の話を同番組で観た記憶があります。災害を歴史(古文書)から見れば様々な事実と知恵が見えてくるという本です。


第一章 秀吉と二つの地震
第二章 宝永地震が招いた津波と富士山噴火
第三章 土砂崩れ・高潮と日本人
第四章 災害が変えた幕末史
第五章 津波から生きのびる知恵
第六章 東日本大震災の教訓

 本書で取り上げられる天災は、地震、津波、高潮、土砂崩れ、噴火・降灰と多岐にわたります。東日本大震災と1946年の南海地震で著者の母の家族が被災したこともあり、地震、津波に力が入ります。
 私の住む地域は「南海トラフ地震」で被害を受ける地域にあり、他人事では無く興味深く読みました。「日本史」で南海トラフが「動いた」事実は、

684年白鳳地震203年→887年仁和地震209年→1096年永長地震265年→1361正平地震137年→1498年明応地震107年→1605々慶長地震102年→1707年宝永地震147年→1854年安政南海地震90年→1944/1946年昭和南海地震 (赤字は間隔)

 100年から200年周期でM8の巨大地震が起きていますから、次は2045年頃が危なそう?。

 古文書によると、1854年の安政南海地震の津波は津波は道頓堀川大黒橋の手前、金谷橋が落橋(波高2.5~3m)。1707年の宝永津波はさらに上流の戎橋、相生橋を落とし現在の日本橋付近まで津波が押し寄せたそうです(3.6m)。1361年の正平津波は、四天王寺近くの安居神社まで押し寄せ、波高は5~6mあったことが想像されるそうです。正平津波級が来れば、海抜5m未満の低地に300万人が暮らす現在の大阪の被害は甚大です。故に、大阪府の災害計画は津波高6mが想定されているそうです。大阪南部に住んでいるので難波、天王寺辺りは土地勘があり、被害が実感できます。

 「第四章 災害が変えた幕末史」では、1828年のシーボルト台風が幕末の軍事大国佐賀藩を産んだという話が出てきます。シーボルト台風は935hp、最大風速55kmで5mの高潮が佐賀平野を襲い、佐賀藩は領民の約3%、家屋の7割、石高の9割を失うという未曾有の惨事を引き起こします。この大惨事が藩主・鍋島直正(閑叟)の思い切った藩政改革を産み幕末の佐賀藩を産んだ、という話ですがどうなんでしょう?。

 防災は、自然科学だけではなく歴史学からのアプローチも有効という一冊です。

タグ:読書
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