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ユッシ・エーズラ・オールスン 特捜部Q-吊るされた少女- [日記(2019)]

特捜部Q―吊された少女― 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 特捜部Q―吊された少女― 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)  飽きもせず『特捜部Qシリーズ』、6冊目。

 1997年、デンマーク・ボーンホムル島の秋季セミナー(寄宿制市民大学)に参加していた19歳の女性が轢き逃げされ死亡します。撥ね飛ばされて木の枝に逆さま吊るされた状態で発見されます。2014年、この事件を捜査していた警官ハーバーザートは特捜部Qに再捜査を依頼し、カールが断ったため「特捜部Qが最後の希望だった」というメールを残し自殺、それも自分の退職セレモニーの最中に拳銃自殺をとげるという劇的なもの。
 ローセは、捜査の行き詰まりか犯人を突き止めたが手が出せない状況で、ハーバーザートは派手な自殺を演出してカール達を呼んだと解釈し、いいかげんに済ませたいカールをよそに事件に踏み込みます。カールとアサドは、 ローセに引きずられるように自殺した警官の勤務地ボーンホムル島を訪れ、特捜部Qは事件に着手することになります。
 劇的な幕開け、舞台が「バルト海の宝石」と言われるボーンホムル島、さらに世界遺産にも登録されたスエーデンのエーランド島と今回の『特捜部Q』はなかなか豪華。

 第一発見の警官のハーバーザートは、自分の担当でもなく解決の見込みもないこの事件をひとりで捜査します。執着の度が過ぎ妻は息子を連れて去り、彼に協力する同僚はなく、ハーバーザートの人生は交通事故と少女の死によって破滅の道をたどった事実が明らかになります。少女を轢き殺したのは誰か、ハーバーザートは何故17年もの間家庭を犠牲にしてまでひとりで捜査を続けたのか、この二つが『吊された女』の主題です。

 轢き逃げ事件の捜査とともに、スピリチュアルなコミィニティ(新興宗教)の話が同時進行します。カリスマ性を備えた教主がコペンハーゲンやロンドンで信者を集めエーランド島に宗教施設を建てて教団を組織するあたりは、「オウム心理教」を連想します。信者が白い服をまとい、教主が女性に目のないところもそっくりで、オウム事件がヒントになっているのかもしれません。

 教団の教義を太陽信仰とし、エーランド島のストーンサークルやボーンホムル島の遺跡、マルタ騎士団の古城、円形教会を小道具に使い、なかなか凝っています。ストーリーの方も、カルト宗教にヒーリング療法、次々と男子学生を誘惑する美少女、女性に目のない教主、教主をめぐる女性信徒の確執、と多彩です。もっとも、事件の核心はこの教主の好色で、笑ってしまいますが。
 殺人方法に工夫が凝らされるのもシリーズの特徴です。今回は、マークとアサドが太陽発電の高圧電流で殺されかけ、アサドが身を挺してマークを護り重傷を負います。これくらい大したことはないとうそぶくアサドには、どうも電気で拷問された経験があるらしい。


 と、『特捜部Q』第6作も依然快調です。

特捜部Qシリーズ
檻の中の女
キジ殺し
Pからのメッセージ
カルテ番号64
知りすぎたマルコ
・吊された少女・・・このページ
・自撮りする女たち ・・・あと1冊!

タグ:読書
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